傀儡と扱われやりきれない、映画には興味が薄れる

映画に出てちょうだい

陳小春(チャン・シウチョン)はこのところ映画出演が大幅に減っている。ある監督が大変に尊大で、俳優はまるで傀儡、現場ではいつもシガーを吸って自分がすべてを仕切っている。主役を除いては、他の俳優とはコミュニケーションを取らない。そんなことが彼に映画への興味を失わせたといい、2度とその監督とは仕事をしたくないとはっきりと話した。この発言は《柔道龍虎榜》の杜[王其]峰(ジョニー・トー)、最近仕事をした《頭文字D》の劉偉強(アンドリュー・ラウ)のどちらかを指しているようだ。
陳小春はかつて《古惑仔》シリーズで人気が出た。しかし最近は映画に出演しなくなっている。過去2年間で、小春が参加した作品は劉偉強の《頭文字D》、杜[王其]峰の《柔道龍虎榜》、韋家輝(ワイ・ガーファイ)の旧正月映画《鬼馬狂想曲》がある。先日小春は本紙のインタビューを受け、映画には興味を無くしているといい、その原因はある監督の尊大さだと話した。
・脇役を軽視 「僕が理解できなくても説明しない」
小春は言う。「映画はこう撮るといえばそうるすもの。でもある監督はすごく尊大。現場でシガーを吸っていて、彼がこういえばこう。ただ聞き分けのいい傀儡が必要なんだ。あるときは気がつかない事があって、僕が分からなくても、説明してくれない。僕は撮影は当然チームワークだと思っている。俳優と監督はコミュニケーションが必要だ、もしそれがなければよいものは出来ないと思う。もし監督がその俳優のことを重要だと思えば、当然そんなことはないわけだ。主役か脇役かは関係ないんだ。ある監督の映画は僕はもう受けないと思う。だけど、誰もがそういうわけじゃない」。小春にその尊大な監督は誰のことを指しているのかと問うと「いいかい、僕は誰とは言ってないからね」と話した。
・不仲と言われる・遅刻して監督の逆鱗に触れる
現在上映中の《頭文字D》は、上映2日間ですでに600万香港ドルを越えている。しかし俳優たちの間にはゴシップが絶えない。まず黄秋生(アンソニー・ウォン)が周杰倫ジェイ・チョウ)は演技が出来ないといい、陳冠希エジソン・チャン)は周杰倫にいいところを持っていかれ不満、また小春と監督・劉偉強との不仲説などだ。
先週月曜日のプレミアでは、司会が劉偉強は撮影前に自ら手紙を書き各俳優たちを励ましたと話したが、小春だけは受け取っていなかった。小春はといえば舞台上では「僕だけが、この会社の俳優ではないのに、重要な役を与えてもらって感動している」と話している。しかし実際のところ《頭文字D》の中の小春の出番は少なく、台詞は10コほどだ。小春の話しは、他のことを指しているように聞こえる。
昨年の杜[王其]峰との仕事《柔道龍虎榜》では、小春は一度は辞退しているが、最後には客演で、それほど重要ではない役を演じた。ある報道では、撮影の日、小春は2時間以上遅れてやってきたため、待っていられなかった杜[王其]峰は他の俳優の部分を先に撮り、あとは車に戻ってシガーを吸っていたという。小春が現われると、杜[王其]峰は記者がその場にいるを分かっていながら、遠慮なく「早くしろと小春にいえ、いつもこうなんだから」と話したという。
・大陸でドラマ撮影 「撮影隊は大家族のようだ」
杜[王其]峰は現場でシガーを手放さないのは有名、劉偉強もまたシガーを吸う習慣がある。韋家輝だけが違う。これらを見ると小春がもう仕事をしたくないというシガーを吸う監督は、杜[王其]峰か劉偉強ということになる。
小春のマネージャーである中国星の李さんは昨日、電話で「小春が誰の事を言ったのか分かりません。だけど、先日プレミアの後で劉偉強と一緒に食事に行き話をして、とても楽しそうにしていました」と話した。
小春は映画には失望感がかくせないようだが、大陸でのドラマ撮影は楽しんでいる。「監督も撮影隊もみんないい人で、まるで大家族のようだ。どんなことでも話せる。数か月同じ人たちといるので、気心が知れる。香港のドラマはこうじゃない。映画はさらに違う。みんな知り合ったら終わってしまう」。
・新譜を再び 「認められなくてもかまわない」
このところマスコミへの露出の少ない小春は、ほとんどの時間を大陸でのドラマ撮影についやし稼いでいる。さらにマネージメント会社(中国星)とは5年の継続をし、1000万香港ドルの契約更新料を手にしている。先日は康樂園の家を売ってこれでも儲けがあったようだ。中国星は小春に対してぞんざいな扱いはしていないので、契約を継続すると言う。
小春は現在はドラマで生計を立てて、音楽は理想を追うという。前作が思うようにヒットしなかったことについては、自分は先を行き過ぎているし、ロックは香港の観客の好みではないと判断している。現在は全力をあげて、新譜の準備をしているところだ。曲はR&B主体で、新しい要素も加える。さらに編曲にも参加してみるという。「陳小春っぽいものをたくさん入れたい。認められなくてもかまわない。僕は音楽のことに詳しいわけではない。僕にはいい耳があるだけ。何がいい音楽か、どれがよくないか聞き分けられるんだ」
・親孝行を尽くす 「重要なのは母が安らかなこと」
小春が人に与える印象といえば、出歩くのが好きで、遊び好きだ。だが小春は芸能界の中の親孝行者と言える。母はここ数年癌を患い、その医療費は驚くべき額になる。しかし小春はそれをひとりで背負ってきた。今年の初め、母が亡くなり小春の気持ちは谷そこまで落ち込んだ。母はシンセンに眠っている。近くには浜辺がある。小春は風水がいいかは重要ではない、気持ちのいい場所だというのが大切だという。
「事が起こってしまった時(母が亡くなった時)は、すでにいろいろな事は考えられないものだ。だけど、父は儀式は必要だといったし、母の親戚はまた別の儀式がいるという。悲しんでいる時間はなかった。重要なのは母が安らかにいられることだ。その時、僕は3か月香港を離れていて(ドラマの撮影)、12月28日香港に戻ってきた。母は1月2日に入院。母は僕が帰ってくるのを待っていたんだ。母は2週間昏睡状態で一度も意識が戻らなかった。幸いだったのは、亡くなった時には苦しまなかったことだ。母は長年病に耐えて、すでに十分がんばってきた。僕はこの仕事をしていて良かったと思った。そうでなければ、医療費をまかなうことは出来なかっただろう」。by 2005.6.26「蘋果日報

今日の「蘋果日報」娯楽版1面。こんなつもりのインタビューじゃなかったのではと思うが、頭の部分、問題有りだよね〜。
私は映画は監督のものだと思っている。ただ監督の思い通りに作るのに、その作り方はいろいろ方法があるのだろうし、それは監督ごとに違うだろう。きつい言い方をすれば、監督の意図を理解できない小春の頭が悪いといえるだろうし、小春の肩をもてば、やはり説明してやるべきだという見方もあるだろう。ただ、やはり俳優としては、どんな場面にも対応できる技量、思考が必要なのではないかと思う。そういう意味では小春はやはり未熟だし思慮が浅いと思う。そこは誰が是非、小春に意見してやってほしい。
たぶんこの監督は、杜[王其]峰だと思うが、彼は映画に集中できない歌手との兼業俳優は嫌いだと公言しているし、こんな報道が出ちゃうと、2度と使ってくれないんじゃないかと思うが、どうだろう。
映画が見たい私としては、とても残念な内容だ。小春の気が変わる、もしくは気を変えてくれる人の出現を待つしかないのか。